フィールドサービス会社のサービスマンのディスパッチ業務がどのくらい効率化されるのか。CSOneの自動ディスパッチ機能を使って実際にやってみた。今回は定期点検を試してみる。想定した業種は、汎用的な製品の製造メーカーサービス部門又はサービス会社である。

  *汎用的な製品:個別受注生産製品ではなく、障害内容やサービスマンに求められるスキルが汎用的で、各サービス拠点のテリトリー内で100件以上の納品実績がある製品

ディスパッチ拠点ごとに、毎月数百の点検案件を抱える企業もあると思うが、数百の案件を数十人のサービスマンに割り当てる業務は、まるで3Dパズルを組み合わせる作業のようである。
訪問先の住所、訪問可能時間帯、指名担当者、サービスマンの所在、スキル、対応可能機種、シフト、先約予定、現場から現場への距離と作業時間等、あらゆる制約を考慮して最適かつ効率的なスケジュールを組む必要がある。

1. 対象案件の準備

東海地方と関西圏をディスパッチ拠点とし、いい塩梅で案件を散りばめるため、東海地方・関西圏それぞれの私鉄、地下鉄全線の各駅を訪問先と仮定し、毎月350-400件程度の点検案件が発生するようCSOneに保守契約マスタを登録した。 点検計画一括作成処理を実行し、手配一覧で23年4月の点検計画を確認。下図では名古屋市内の地下鉄駅を訪問先とした計画が登録されているのを確認できる。

2. ディスパッチを実行(制約緩め)

各拠点に10-15名のサービスマンを登録し、一旦スキルやシフト等の設定は無しとした。各案件の点検作業時間は1時間とし、訪問可能時間帯も幅広く10-17時に設定。毎日の出発地点は、関西圏は西宮市とし、東海地方は出発地点を分散させ、JRの駅を適度に設定した。

ディスパッチを実行してみる。

CSOne内のアルゴリズムが最適ルート・担当者によるスケジュールを自動作成してくれる。 下図は東海地方の結果。
1日あたり2-4件、移動効率等も考慮して複数サービスマンにアサインされている。

<月間スケジュール>

どの方面の案件を各サービスマンが担当するかを表した分布図を確認。23年4月の1か月間に担当する案件の分布を表し、サービスマン毎に色が分かれている。

<サービスマン分布図 – 月間 – 東海>

訪問先とサービスマンの出発地点以外の制約はほぼ何も設定していないので、基本的には、各自の出発地点から近い案件が固まってアサインされている。

次に関西圏。

<サービスマン分布図 – 月間 – 関西>

スケジュール表は東海地方と同じく複数サービスマンに2-4件、1か月間の特定日に偏ることなく日時設定されている。関西圏は、東海地方と異なり、出発地を西宮市の某住所一点としているので、1か月間という期間でサービスマン毎の色の分布(担当案件)を見たとき、特定方面での固まりは確認できない。

しかし特定のサービスマンを指定した分布図では、訪問日毎に着色が確認でき、同じ日に近い訪問先を訪問するべくスケジュールされているのがわかる。

<サービスマン分布図 – 日別 – 関西>

次に東海地方に戻って、特定担当者・特定日のルートマップを見てみる。近い案件を巡回できるようルートが組まれている(自動ルーティング)。作業時間を1時間としているので、近距離に複数案件が存在する場合、1日に多くの案件をこなすことができる。

<担当者別ルートマップ>

3. ディスパッチを実行(制約強め)

ここまで、訪問先とサービスマンの出発地点以外の制約はほぼ何も設定しない状態でディスパッチを実行したが、いくつか制約を入れて実行してみる。

名古屋支店のサービスマンにシフトを設定。午前あがり、お休み、午後あがりなどいくつかのパターンを日別に設定。訪問先の訪問可能時間について、名古屋市内地下鉄駅の訪問可能時間をAMのみ、PMのみ、AMと夕方のみ等、いくつかのパターンを設定。 そして改めて実行。

<サービスマンのシフト>

<設置先の訪問可能日時>

訪問可能日時を14-18時とした「覚王山駅」の訪問予定を確認してみる。周辺の駅の点検を終えて、16:30にサービスマンが訪問する計画となっている。
名古屋市内在住と仮定したサービスマン「熱田さん」のシフトは平日13-18時。シフト内で作業を完了していることがわかる。

<シフト・訪問可能日時を考慮したスケジュール>

CSOneではほかにも、サービスマンのスキルや対応可能機種、訪問先別の専任者など、数種の制約を設定できる。それぞれ設定し、23年4月と同様の点検計画とした23年10月で自動ディスパッチを実行した結果がこちら。

<制約設定後の分布図>

今回のサンプルでは、多くのサービスマンの出発地点から離れている伊賀周辺。一部の案件を伊賀周辺在住のサービスマンではスキルアンマッチとして設定した。
そうすると、当該サービスマンはアサインされず、別地域のサービスマンが出張する計画となっていることが確認できる。

4. 顧客通知

現場のディスパッチ担当者様によれば、訪問計画立案後の顧客通知、日程調整作業もかなりの労力を必要とする作業とのこと。
CSOneでは、自動立案したスケジュールを確認し、手動での調整を加えた後、顧客向けに一斉通知し、顧客からの返事を受け取ることができる。
日程が合わなかった場合の再日程調整(直接の会話が必要な調整)をシステム化することはできないが、一次提示候補日での訪問を承諾いただける多くの顧客については、連絡から確定までのプロセスを大きく短縮することができる。

<顧客通知メールのサンプル>

<顧客による確定クリック後>

5. まとめ

CSOneは、ディスパッチ担当者がスケジュール立案時に考慮する各種の制約を考慮して、訪問計画を自動作成する。月間2000件の案件を100名ほどのサービスマンにアサインする場合、約15-20名のディスパッチ担当で毎月のスケジュール立案を担当する企業もある。

CSOne自動ディスパッチを利用すれば、1拠点約400案件の立案を10分程度で終えることができる。約2割の案件で顧客との調整が必要になるとしても、残りの8割を自動化できれば、マスタ準備等の初動作業に労力がかかるとしても、固定費であるディスパッチ作業時間を今後定常的に減らすことができれば、かなりの生産性アップと言える。

また機械化することで、地理的条件や技術的な特性を理解した特定の担当者のみが行える作業から、新人でもベテランでも誰でも行える作業となることも重要な点の一つである。

訪問先ごとに担当サービスマンを決めている企業であれば、各サービスマンにスケジュール業務を任せることもできるが、そのサービスマンが退職や部門移動、長期の休みとなると、新任の方に一から教育しなくてはいけないし、同じ担当が同じ訪問先を担当するのは癒着を生む可能性もある。
まして、ディスパッチ業務を各サービスマンに委託するだけであって、企業全体の生産性が上がるわけではない。
なのでディスパッチ業務は専任のディスパッチ担当により、できればシステムを活用してクイックに済ませたい。

サービスマンのディスパッチについて課題を抱えている方は、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。御社の課題に沿った形で、提案をさせていただきます。



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