株式会社 西友は、食料品、衣料品、住居用品などの小売チェーンの運営を行う、従業員数29,000人(2022年12月1日現在)、店舗数326店舗(2023年5月3日現在)の会社様です。
西友様は、株主構成の変更に伴う最新システムへの全面刷新および新西友業務プロセス・データ活用基盤の構築を全社的に推進しておりますが、この度、不動産開発本部のCM(建設管理)領域、FM(施設管理)領域、調達領域を対象にCSOne(FM・調達領域)/PMOne(CM領域)を導入いただきました。
なお、数百社に及ぶ取引先ついても、西友様との取引にあたりCSOne/PMOneをご利用頂いております。

*CSOne:サービス・保全・基幹業務を支援
*PMOne:設備保全や施工・設備工事といったプロジェクト管理を支援

予算管理

CM領域では、新店建設や既存店改装プロジェクトについて、年初や決裁時などのフェーズ別に予算を設定し、予実対比だけでなく予算対予算の対比や着地見込みを管理。改装種別や部署、勘定科目別などの切り口にブレークダウンして予実を詳細に把握します。
FM領域では、計画保全・緊急補修・定期保守などの施設保全活動について、店舗・案件・パートナー会社ごとに予算を管理。発注、作業報告・検収、仕入計上などの工程別や発注・仕入計上月別に予実を詳細に把握します。

取引先との取引全体を一元管理

発注先選定前から発注後の支払に至るまでの取引先とのやり取りを一元管理し可視化することで、ライフサイクル全体の最適化・適正化を図ります。
発注先選定においては、取引先に対する入札参加依頼から決定・不調通知までのプロセス全体を通した業務処理とそれに紐付く図面等の関連資料をシステム上で一元管理します。
発注先選定後も、取引先との契約や請求・支払プロセスだけでなく、取引先の作業報告及びそれに対する西友様の検収プロセスもデジタル化します。

データ活用基盤の構築を推進

施設に関する保守契約の内容や取引先による点検や工事の結果報告、さらには案件化に至らなかった店舗からのコール情報など、今まで電話やメール・紙に埋もれていた情報が、システム上に電子データとして一元管理されます。
複数システムに分散していたデータも含め、不動産開発領域に関するあらゆる情報を1システムに電子データとして集約することで、様々な角度からの効果的なデータ分析が可能となります。

座談会

CSOne/PMOne導入プロジェクトのキーメンバーである、藤巻様(プロジェクトリーダー)、小林様(CM)、上村様(FM)、大島様(FM)、箭本様(調達)、吉田様(情報システム)にお集まり頂き、座談会形式でお話を伺いました。

業務内容について

小林:CM(コンストラクションマネジメント)では、新店建設や既存店の改装プロジェクトを管理しています。一口に改装と言っても、模様替え程度のリフレッシュメントからレイアウト変更を伴うフルメンテナンスまで多岐に渡ります。什器の更新やテナント導入、多店舗を対象とした一括更新プロジェクトなどもあります。

上村:FM(ファシリティマネジメント)では、施設の保全業務の管理や施設管理会社の管理などを行っています。保全業務の区分としては、店舗運営に支障が出ないように緊急で補修を行う緊急工事、保守会社と契約を結び定期的に点検を行う定期保守、設備の中長期保全計画をもとに計画的な設備更新を行う計画保全などがあります。

CSOne/PMOneを選定した理由

上村:システムの刷新にあたり複数のシステムを検討しましたが、計画保全・緊急補修・定期保守の考え方がもともと実装されていることが判り、CSOne/PMOneは西友における保全業務に最も適していると確信しましたね。

箭本:西友における建設と保全の2つの領域を予算管理から発注・支払いまで一貫してカバーし、かつ購買機能も備えることができるのはCSOne/PMOneだけでした。

小林:それに、CSOne/PMOneでは取引先との電子取引を一気通貫で実現できるというのも大きかったですね。

上村:事後見積や定期保守などの複雑な契約形態を網羅したうえで電子取引を実現するというのは、シーエスワンさんにとってもチャレンジだったと思います。

箭本:パッケージサービスとしてのもともとの使い勝手の良さに加えて、顧客のニーズに応じた細かなカスタマイズに柔軟に応じて頂けることもCSOne/PMOneの大きな魅力でした。

小林:CSOne/PMOneでは直感的に理解できるように機能が整理されていることも利点でしたね。

上村:特に海外の製品と比較すると、CSOne/PMOneは明らかに直感的で分かりやすいと思います。CSOne/PMOneのレスポンスも早く快適ですね。

箭本:決め手の1つとしては、CSOne/PMOneではシステムバージョンアップの恩恵を継続的に受けられること、今後も機能拡張が継続的に行われるということも挙げられますね。

大島:もちろん、CSOne/PMOneは弊社の業務への適応度が高いだけでなく、機能面の充実度に対してリーズナブルな価格であったことも選定理由の1つでした。

プロジェクト進行について

上村:コールセンター受付時の登録や定期保守の点検結果報告などの機能を実装しましたが、これは旧システムでは実装されていなかったため、要件定義のなかで喧々諤々と議論しながら進めていきました。シーエスワンの皆さんのキャッチアップが早かったことにはびっくりしましたね。

藤巻:そうですね。CSOne/PMOneがカバーする領域は多岐に渡っていて、また西友独特のルールもたくさんあったかと思いますが、皆さんのキャッチアップは本当に早く、しっかりと具現化していただけたと思います。

小林:弊社の運用に適したシステムを無事構築できたのも、自由度の高いシステムとその自由度を理解した優れた設計者の方々のサポートのおかげであり、また設計初期段階から弊社の課題について理解と整理・ご提案頂いたおかげですね。

箭本:導入プロセスで圧巻だったのは、要件定義などのコミュニケーションにおける弊社業務に対する理解とそれに応じた業務フローやシステム設計のスピードです。コロナ禍でWeb会議中心となり弊社側の要求仕様に対する説明も分かりづらい中、非常に的確にこちらのニーズや業務の流れを理解いただき、翌週には、早いときには会議中に、各プロセスのシステムフローを提案いただけるスピード感でしたね。

吉田:弊社システム一斉リプレイスの中でのCSOne/PMOne導入であったため、単体導入よりは難易度が高いプロジェクトでしたが、追加改善要望や長期間の本番稼働サポートについても臨機応変に対応頂けたことも良かったですね。今後はより早いタイミングでモックアップをご提供いただき、それに対し弊社もより迅速にフィードバックしてシステムに反映していくような進め方ができれば、よりスムーズに進められると思っています。

CSOne/PMOne導入による効果

上村:CSOne/PMOneの基本機能に、見積依頼機能など一部カスタマイズしていただくことで、End to Endで情報を一元管理できる仕組みを導入することができました。

小林:より弊社にて運用したい内容をカバーするシステムに仕上げていただきました。特に店舗改装や新店建設などのプロジェクト案件については、什器やセットアップなど様々な部署が発注を行うなかでプロジェクトとして全体を管理しなければなりませんが、CSOne/PMOneにおいて一元管理が可能になりましたね。

上村:案件登録から見積取得や発注、検収、請求支払を一連の流れとして捉え、予算に対して実績まで把握できるようになりました。案件やプロジェクトの立ち上げから見積依頼、見積取得など、発注前の業務も可視化できるようになったことは非常に大きいですね。

箭本:そうですね。今までは複数のシステムやメール等のオフラインで分散して処理していましたが、今後はCSOne/PMOneにて一気通貫で一元管理することにより、非常に利便性が高くなったと思います。また、三点照合等のガバナンス面やインボイス制度等の最新の法令にも対応した弊社のニーズをすべて満たした仕上がりにして頂きましたね。

小林:実際に使用し始めた弊社内ユーザーからも、「前のシステムよりも直感的で分かりやすく、操作性も快適であるため、サクサク処理が進み、業務時間の短縮が実感できる。」という声が早くも聞こえてきていますよ。

今後の展望・期待について

大島:情報の一元管理を行うところまでプラットフォームはできてきたため、今度はその情報を有効に活用していきたいですね。

上村:そうですね。予防保全の推進や点検指摘事項の管理、コスト最適化などに繋げていきたいと思っています。また、CSOne/PMOneだけでなく、分析用BIツールであるPower BIもセットで西友に導入いただいているので、保全業務の効率化や改善に繋げられるようサポートいただきたいです。CSOne/PMOne自体にも仕組みとしてポータル画面にビジネスの状態がひと目で把握できるようなダッシュボードがあると、特に経営層に対して製品の訴求力が高まると思いますね。

箭本:そうですね。ポータル画面で自身に関連するメールのインボックスやタスクがひと目で把握できるといいなと思います。

小林:CMとしては、入札から発注・契約、支払いまでの一連の流れを今回導入いただきましたが、今後は、工事やプロジェクトのスケジュール管理など、発注関連以外のプロジェクト管理に関わる内容を導入し、完全にCSOne/PMOneにて管理できるようにしたいですね。

藤巻:今後は、全社的なデータ活用基盤の高度化に向けて、CSOne/PMOneと弊社データハブとのインターフェースを強化していければと思っていますので、引き続きよろしくお願い致します。