フィールドサービス会社のサービスマンのディスパッチ業務がどのくらい効率化されるのか。CSOneの自動ディスパッチ機能を使って実際にやってみた。今回は緊急障害が起きたことを想定して試してみる(「自動ディスパッチ機能の定期点検編」はこちらを参照)。想定した業種は、汎用的な製品の製造メーカーサービス部門又はサービス会社である。
*汎用的な製品:個別受注生産製品ではなく、障害内容やサービスマンに求められるスキルが汎用的で、各サービス拠点のテリトリー内で100件以上の納品実績がある製品のこと。



緊急障害はその名の通り、いつ発生するかわからないため、前もってサービスマンの予定を抑えることが不可能である。定期点検などの通常ルーティン業務が既に組まれている中で、適切なサービスマンを迅速にアサインする作業は非常に困難である。多くの企業ではサービスマンのディスパッチ作業をディスパッチ担当が人力で行っているケースがあるが、AIを活用したCSOneの自動ディスパッチ機能を活用することで、いかに業務が効率化されるか確認していきたい。

1. 対象案件の準備

まずは緊急障害が発生したことをシステム上に登録する必要がある。 今回はヒートポンプの不具合が起きていると顧客から3/29(金)に連絡が入ったと想定し、顧客の工場所在地は箱根湯本という設定にする。

2. ディスパッチを実行

案件としてシステムに登録ができたので、早速自動ディスパッチを実行してみる。 3/29(金)に問い合わせがあり、4/1(月)から4/5(金)までの間に、つまり5営業日中に対応が必要という設定でディスパッチを実行してみる。

ディスパッチの結果は以下のように表示される。 右側のカレンダーはサービスマンごとに定期点検などの既に受付済みの予定が表示されている。 一方で左側には、サービスマンの予定、移動距離、移動時間などを考慮した上で、どのサービスマンが箱根湯本工場に向かうのが最も効率的なのか、AIが導き出した提案が表示されている。今回の案件では、早川さんと平塚さんの2名が該当候補となるようだ。上からコスト効率が良い順番で5件並んでおり、早川さんが4/3(水)の9:30 – 10:30で訪問するのがベストだという提案が自動で上がってきている。

また、MAP表示機能を使うことで、提案された5つの選択肢におけるサービスマンの移動経路を可視化することもできる。自動ディスパッチ機能がGoogle Mapと連携されているので、「表示」ボタンをクリックするだけで、それぞれの移動経路を地図上で瞬時に表示できる。コスト効率という数字だけでなく、実際の移動経路を把握した上で、比較・検討が可能となる。

3. サービスマンのアサイン

自動ディスパッチによる提案に基づき、効率が最も良い4/3(水)9:30 – 10:30の枠で早川さんをアサインする。「選択」ボタンをクリックすれば、自動で右側のカレンダーに反映される。担当サービスマンの早川さんが新規の予定を把握できるだけでなく、閲覧権限がある関係者であればリアルタイムでスケジュール共有が可能となるため、社内情報共有の効率アップにも繋がる。

なお、この画面でドラッグ&ドロップによる手動調整も可能である。

4. 顧客への通知

現場のディスパッチ担当者によれば、顧客への通知や日程調整もリソースがかかる業務であると理解している。CSOneのシステムを使えば、自動ディスパッチで立案したスケジュールを簡単に顧客へ通知することができる。顧客は問題がなければ「承諾」をクリックすれば予定が確定する。その結果、提示候補日での訪問を承諾いただける多くの顧客については、連絡から確定までのプロセスを大きく短縮することができる。

5. まとめ

以上のようにCSOneの自動ディスパッチ機能を活用すれば、ディスパッチ作業の工数を大幅に削減することが可能である。

月間2,000件の案件を100人のサービスマンで管理している場合、ディスパッチ担当者のスケジューリング調整作業に480時間もの工数がかかっている。ただ、CSOneの自動ディスパッチ機能を使うことで、480時間を2時間に短縮でき、約95%の時間を削減できたケースも存在しており、大幅な生産性アップを達成できる。

また、ディスパッチ作業は担当者の経験に依存していることが多く、属人化しやすい業務でもある。AIを活用した自動ディスパッチであれば、経験値に関係なく、新人でもベテランでも誰でも行える点も重要である。



サービスマンのディスパッチについて課題を抱えている方は、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。御社の課題に沿った形で、提案をさせていただきます。



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