フォーブス社の「Ways Artificial Intelligence Can Empower Field Service And Enhance Customer Experience」では、フィールドサービス領域における人口知能(AI)について以下のように考えています。人工知能が、サービスマン有効活用、初回修理完了率、カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に大きく寄与することになります。これを達成するためには、サービス部門を効果的に運営できるシステムが必要となります。

また、同記事では、フィールドサービスビジネスのパフォーマンスを最大化するための人工知能(AI)の活用領域について、以下の4つを挙げています。

画像認識

画像認識の精度は革命的な速度で進化しています。画像内の特徴を素早く認識することで、デジタルデータとして記録・蓄積された各種履歴データにクイックにアクセスし、検索することが可能となってきています。この技術は、さらに強力なサービスツールに発展する可能性を秘めています。AIシステムに画像認識技術を組み込むことによって、ライブカメラから提供される画像データを解析・診断し、サービスマンの迅速なトラブルシューティングを支援することが可能となるのです。AIシステムは、マシンの過去履歴と比較した上でマシンの現状を評価することで、問題の内容を推測することができます。さらに、このトラブルシューティングシステムにより、サービスマンは、将来のメンテナンス時に有効活用可能な、包括的なマシンデータ履歴を構築していくことができます。

作業割当

AIは個々のサービスマンについて学習し、各サービスマンの能力にマッチするよう、作業割当を実施することで、サービスマンの有効活用を推進します。サービスマンの作業時間、使用部品や初回修理完了率を追跡することで、AIシステムは作業割当の際の要素として活用できるパフォーマンススコアを蓄積することができます。AIシステムにより、これらの要素をスコアリングすることによって、今まで気付くことの無かった傾向を検出することも可能になるでしょう。作業完了に多くの時間を費やしている、あるいは必要以上の部品を使用している場合は、サービスマンのスキル不足の可能性もあります。一方、作業完了までの時間が極端に短い場合は、杜撰な作業のサインかもしれません。

スケジューリング

AIがサービスマンの割当を行い、作業リードタイムを論理的に算出します。従来のディスパッチ方法とは異なり、AIシステムでは、様々な要素を使用することで効率的なスケジューリングを実現することができます。AIシステムでは、天気予報や交通情報を評価し、移動時間を適宜割り出すことによって、スケジューリングの最適化を実現できます。また、AIシステムは、顧客の訪問希望時間帯を要素として考慮することもできるため、顧客満足度向上に寄与するでしょう。突発修理などスピードが求められるサービスプロバイダーに対しては、AIシステムは、作業場所、作業完了予測時間、車載在庫、および緊急度に基づいてスケジューリングします。様々な状況に適応することで、AIシステムはROIを最適化すべく、作業割当やスケジューリングを行います。

予兆保全

マシンのライフサイクルを最適化することに関して、予防保全は、長い間重要なトピックになっておりました。マシンの異常が発生する前に、異常が発生しそうであることを検知しマシンに対して整備を行うことで、マシンの停止時間を短縮します。現状では、予防保全を手動でスケジューリングし、それに応じて作業指示を発行しています。多くの場合、マシンの「経過期間」と「運転時間」の2つを基準とした、メーカー推奨のガイドラインに基き、予防保全計画が策定されます。AIは、予兆保全を新たな高みへ引き上げます。サービス履歴、リコール情報、詳細な稼働状況などの膨大な量のデータを活用することで、AIは、特定のモデル・型式に関して、異常が発生する傾向を特定することができるのです。予防保全を示唆する情報の活用が、マシン停止の回避に役立ちます。AIによって、個々のマシンに対して、特定の予防保全を推奨することができるようになるのです。AIは、マシンのライフサイクル内の最適なタイミングでメンテナンスを提案することにより、企業の最適な資産管理に寄与します。これにより、資産寿命を延ばし、マシンのROIが向上します。的確にメンテナンスされたマシンは、時間の経過と共に、より効果的に稼働することで、費用対効果が向上します。



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