読者のみなさんは、「フィールドサービス」という言葉に馴染みはあるでしょうか。
聞いたことはあっても、具体的に何をしている仕事なのかがわからないという方も多いでしょう。

そこでこの記事では、フィールドサービスの概要や業界別の業務内容、そしてフィールドサービスの課題と今後の対応策などを解説します。
フィールドサービスが何かを詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

フィールドサービスとは

フィールドサービスとは、電気・ガスのような生活インフラやPCなどの電子機器、企業で使われる機械設備などが何かしらのトラブルを起こしたときに処置を施すサービスです。

トラブルへの対応だけではなく、設備に対する定期的なメンテナンスもフィールドサービスのうちに含まれます。 また、フィールドサービスはアフターサービスとも呼ばれることがあります。

業界別のフィールドサービスの業務内容

フィールドサービスはさまざまな業界で展開されるサービスです。
しかし、各業界における具体的な業務内容をイメージしきれていない方も多いことでしょう。

実際に、最近のフィールドサービスではトラブル対応や定期的なメンテナンスなどの業務領域を超えて、多様なサービスを提供しています。
そのため、業界によって行われるフィールドサービスのかたちもさまざまです。

ここからは、数ある業界のなかでも、ソフトウェア業界とハードウェア業界、製造業、医療業界の4つの分野におけるフィールドサービスの業務内容を詳細に紹介します。

業界①ソフトウェア

ソフトウェア制作を行う会社でのフィールドサービスでは、ほかの業界と比べても一際幅広い業務を行います。
ソフトウェア業界におけるフィールドサービスの主な業務内容

  • 制作したソフトウェアの顧客への納品
  • ソフトウェアインストールのためのインフラ環境の整備
  • インストール作業の実行
  • インストール作業の稼働確認
  • 定期的なメンテナンスの実施

このように、ソフトウェア業界におけるフィールドサービスの業務領域は、ほかの業界よりも多い傾向があります。
作業員はソフトウェアに関する幅広い知識や技術力が必要となるでしょう。

業界②ハードウェア

ハードウェア業界におけるフィールドサービスも、一際幅広い業務をこなさなければならないうちの1つです。
ハードウェア業界におけるフィールドサービスの主な業務内容

  • ハードウェアの設置
  • ハードウェアの入れ替え
  • ハードウェアの稼働確認
  • 臨時サポートの実施
  • 定期的なメンテナンスの実施

ハードウェア業界におけるフィールドサービスでは、1日に数十台のPCを設置するようなことも多く、ハードウェアに関する正確な知識と作業スピードの速さが求められます。
しかし、ハードウェア業界におけるフィールドサービスは、上記で紹介した業務内容の枠にとらわれません。

たとえば、作業員が顧客のハードウェアの入れ替えを行ったほうがよいと判断した場合には、顧客に入れ替えの提案をするという営業活動を行うことも想定されます。
そのため、作業員はフィールドサービスの基本的な業務だけではなく、営業力も求められるでしょう。

業界③製造業

製造業におけるフィールドサービスでは、以下のような業務を行うことになります。
製造業におけるフィールドサービスの主な業務内容

  • 工場のセンサーや半導体、生産用ロボットなどの機械設備の設置
  • 定期的なメンテナンスの実施

機械設備の設置後には客先の技術者のトレーニングを実施することもあります。
製造業では余裕のないスケジュールで商品を生産する傾向が強く、機械設備の故障は大きな弊害となる可能性が高いです。
そのため、作業員は故障の原因を一早く掴み、早期に対処できるような対応力が求められます。

業界④医療

医療業界におけるフィールドサービスでは、以下のような業務を行うことになります。


医療業界におけるフィールドサービスの主な業務内容

  • 医療施設への医療機器の設置
  • 医療機器の点検
  • 医療機器の稼働確認
  • 定期的なメンテナンスの実施

医療施設によっては人命に関わる機器を取り扱うところもあるため、作業員はほかの業界よりも慎重なメンテナンスを実施する必要があるといえるでしょう。
また、医療機器に関する知識もより正確であることが求められます。

フィールドサービスにおける現状の課題と今後の対応策

日本の人口減少という大きな問題を背景に、フィールドサービスを展開している企業では人手不足が深刻化しています。
人手不足により、1人あたりの作業量が多くなってしまうため、早期の生産性向上や業務効率化が求められています。

また、人手不足という課題のほかにも指摘されることが、トラブル対応のスピード感の遅さやペーパーレス化が進んでいないという課題です。

トラブル対応のスピード感が遅いという課題は、企業の部門間の連携がうまく取れていないために作業員のアサインが遅くなるということから発生しています。
また、多くの作業現場では未だに紙媒体の資料を大量に持ち運んでおり、ペーパーレス化が進んでいません。

上記で掲げた諸課題を解決するためには、企業のDX化が必要だといえます。
DXとは、「Digital Transformation」の略で、デジタル技術を活用することで企業の生産性向上や業務効率化につなげることです。

具体的なDX化の戦略として、タブレットをはじめとするIT機器の導入や、CRM(顧客管理システム)の導入が挙げられます。
まず、タブレットを導入すると、これまで持ち運んでいた紙媒体の資料が必要なくなり、タブレット1つでマニュアルや顧客情報を確認できるようになります。

また、従業員や顧客のリアルタイムの情報を、いつどこでも入手できるようにさせるシステムがCRMです。
これによって、部門間の連携が上手くいくようになり、作業員のアサインが速くなる結果、トラブル対応のスピード感も向上します。
そして、上記のような課題を解決していくことで、生産性向上や業務効率化が見込め、人手不足という大きな課題に対して向き合えるようになるでしょう。
フィールドサービスの現場における課題についての記事も是非ご確認ください。

フィールドサービスとは製品の品質を維持するために欠かせない役割のこと

いかがでしたでしょうか。
フィールドサービスとは、インフラや電子機器、企業の機械設備などのトラブル対応や定期的なメンテナンスを行うことです。

フィールドサービスの業界によっては、上記の業務領域を超えてサービスを提供することがあり、たとえば顧客への営業活動が伴うところもあります。
言い換えれば、一度納品した製品の品質を維持、もしくは顧客との関係性を良好に保つためにあらゆることをする仕事であるともいえるでしょう。

このフィールドサービスを適切に管理・効率化することでサービス価値を高める取り組みのことをフィールドサービスマネジメント(FSM)といいます。
フィールドサービスマネジメントについての詳しい解説はこちらにありますのであわせてご確認ください。

株式会社シーエスワンはフィールドサービスを展開する企業様の業務をサポートする会社です。 フィールドサービスの業務に課題感のある方は、ぜひ一度ご相談ください。