「定期点検と保全計画」の効率的な管理は、フィールドサービス業務におけるお客様からの信頼を獲得し、かつ企業の収益機会を最大化するために重要です。本お役立ち情報では、「定期点検と保全計画」を効率的に管理するための解決策を、CSOne のフィールドサービス管理システムをもとに解説していきます。
定期点検と保全計画が直面する課題
目次
一方で、保全計画は義務ではありませんが、この業務プロセスを仕組み化することで、企業の収益性は大きく変わります。多くの企業様では予防保全は徹底できておらず、故障が発生してからの後追いの対応がメインとなってしまっています。その結果、人や部品などのリソースの平準化・最適化ができず、大きな収益機会の損失に繋がっています。
CSOneの定期点検 解決法
フィールドサービス管理システムであるCSOneを使えば定期点検を抜け漏れなく、かつ効率的に管理することが可能です。以下3つのステップに分けて、実際のCSOneの管理画面をお見せしながら解説していきます。Step 1) 保守契約のマスター登録
今回、架空のJR東海道本線株式会社というお客様の東京工場に設置されたボイラーと保守契約を結ぶことになったと想定します。まずは、保守契約のマスターを登録する作業を行います。基本情報である契約日付、開始日、終了日を入力し、その上で、該当の施設コードと取引先コードを選択します。
サービスレベルは自由にカスタマイズすることが可能です。平日・休日の対応時間に関することや、特殊対応についてメモを入れておくことで、該当のお客様に馴染みのない社員であっても、最低限の対応をすることができます。
次に機器明細については、設置しているボイラーを選択します。よくあるケースとして、サービスマンが工場に点検に伺った際、様々な機器が設置されており、どの機器が保守契約の対象なのか判断が出来ないということが起こり得ます。ただ、システム上で契約機器を適切に登録しておくことで、サービスマンが現地でも適切な機器を判断できるようになります。
点検計画のセクションは、手配タイプは定期点検を選択します。今回、2ヶ月に1回の定期点検が必要だという設定の場合、1月はON・2月はOFF・3月はON・・・という形で選択していくだけで登録完了です。
最後に請求計画ですが、定期点検の費用を登録します。CSOneのシステムは定期点検の管理だけでなく、販売管理機能も搭載しているので、請求計画をマスターに登録しておくことで、請求書を簡単に出すことができます。つまり、CSOneは1つのシステムで、定期点検から販売、管理、入金まで適切に管理することが可能です。
Step 2) 定期点検のディスパッチ作業
Step1で保守契約のマスター登録が完了したので、ここからが定期点検を実施する、つまりサービスマンのディスパッチ作業になります。ディスパッチ作業には非常にリソースがかかると言われており、月当たり2000件の案件を100人のサービスマンで管理し、人の力でディスパッチ作業をした場合、500時間弱のディスパッチ作業時間がかかる計算となります。AIが進化した現在において、このリソースの使い方は見直すべきポイントです。CSOneの自動ディスパッチ機能を使えば、大幅にディスパッチ作業の効率を改善できます。12月の定期点検をディスパッチすると想定します。システムに各種条件を入力していきます。スケジュールについては2024/12/1〜2024/12/31で、手配カテゴリは定期となります。検索を押すと、148件12月に定期点検をする必要があることがわかります。
その上で、最下部の実行ボタンを押すと、AIを使った自動ディスパッチが走り出します。位置情報を使ったサービスマンの居場所や、その日のスケジュール、移動距離、能力などを加味して、どのサービスマンがどの工場に定期点検に行くべきかをAIが自動で割り出してくれます。
縦軸にサービスマンの担当者が並んでおり、青色ブロックが定期点検に向かうべき案件になります。
例えば東向島さんであれば、12月10日(火)9:30〜で綾瀬工場、12:00〜で錦糸町工場で定期点検の予定が入っています。このスケジュールはクラウド上でシステム管理されていますので、適切な権限を持つ人であれば、誰もがサービスマンのスケジュールを確認することができます。
また、お客様から急なスケジュール変更があった場合でも、該当の青色ブロックをドラック&ドロップできるので、非常に簡単にリスケジューリングに対応できます。
Step 3) 定期点検の実行
最後にサービスマンによる定期点検の実行部分を解説します。Step2で例に出したサービスマンの東向島さんが綾瀬工場に定期点検に行ったと想定します。
以下が作業報告の登録画面です。綾瀬工場に設置されている機器はボイラーになります。
注目して欲しいのが点検項目です。定期点検すべき点検項目が、保守契約で登録した「機器」と「手配タイプ」の組み合わせによって、自動で表示されます。今回のケースでは「ボイラー」と「定期点検」の組み合わせによって、サービスマンが点検すべき項目が自動提案されています。
サービスマンはこの項目に従って、点検結果をアルファベット、記号、数字などの適切な値で入力していきます。このようにサービスマンの能力や経験値に依存した点検ではなく、客観的に必要である点検項目を確認することで、保守契約という義務を抜け漏れなく遂行することが可能となります。
これにより点検終了後、サービスマンがオフィスに戻って報告書を作るなどの業務をなくすことができ、結果としてサービスマンの生産性を大幅に上げることに寄与します。
CSOneの保全計画 解決法
次に、CSOneのフィールドサービス管理システムを活用した保全計画について解説します。機器に故障が発生してから対応する受け身の姿勢から、積極的に提案し収益アップの可能性を高める方法は2つのステップで完成します。
Step 1) 部品表のマスター登録
まずは該当機器に搭載されている部品をBOM(部品表)としてマスター登録していきます。今回は例として機器をボイラーと想定して作成していきます。添付のように今回は6つの部品から構成されています(Oリング、ウレタンゴム、パッキン、バルブシステム、軸受け、内部清掃)。
それぞれに対して点検周期や単価、設置時期などの基本情報を入力することで、マスターが完成します。点検の基準に関しては、添付の例では期間になっていますが、稼働時間やペースなど部品に合った点検周期で設定することが可能です。
また、お客様ごとに管理・運用がやりやすいように、機種グループごとに部品表を作成することもできますし、細かく機器単体ごとに個別で作成し管理することもできます。
Step 2) 保全計画の事前確認
ここからがサービスマンが定期点検などでお客様のところに訪問する前に実施すべき確認作業になります。管理画面で保全計画表を開き、該当の工場を選択します。今回はStep1でマスター登録したボイラーが設置されている東京工場にします。すると、管理画面上で、部品ごとに実績と計画が表示されます。黒丸が既に点検や交換済み、白丸が今後実施予定を示しています。忙しいサービスマンでもこれを見れば一瞬で次回交換提案すべき部品が一目瞭然でわかります。
例えば、25年計画ではOリング、パッキン、軸受け、内部清掃が予定されているから、次回伺う時に、事前に提案しようなど、収益アップの可能性を広げることができます。
今回は金額が小さいですが、オーバーホールなどの数百万コストがかかるような案件ではお客様もすぐには決断ができません。リードタイムを十分に持った提案をすることで、翌年に予算化してもらえる確度が高まります。
このように目先の修理業務を回すだけで手が一杯の状況を、CSOneのシステムを導入することで、将来への積極提案に繋げ、収益アップやお客様との良好な関係に繋げることができます。
成功事例|昭和鉄工株式会社様
昭和鉄工株式会社は、老朽化したシステムを最新のCSOneに置き換えることで、保守契約・保全計画の管理を見直し、アフターサービスを含めたライフサイクル型ビジネスを構築しました。保守契約・保全計画だけではなく、顧客管理や販売管理も統合した形でCSOneを活用いただいた結果、業務効率と収益性を大幅に向上させた成功事例となります。詳細はこちらをご覧ください。
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以上のように、定期点検と保全計画の効果的な管理は、お客様との良好な関係構築と収益向上に不可欠な業務です。CSOneのフィールドサービス管理システムは、これらの課題に対応し、守りの定期点検と攻めの保全計画のどちらも効率化させることができます。
また、定期点検・保全計画だけでなく、スポット作業・販売管理・在庫管理などのフィールドサービスに必要な業務を包括的にカバーしておりますので、1つのシステムで統合的に管理することができます。
御社の課題に沿った形で、ご提案させていただきますので、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。