フィールドサービスにおいて、移動時間の削減は訪問件数の増加と残業時間の短縮に直結する重要なテーマです。
しかし、訪問ルートの最適化は単に「最短距離を選ぶ」ことではありません。訪問順序・時間帯指定・担当者のスキル・スケジュールを総合的に考慮した「全体最適」が必要です。
本記事では、FSM(フィールドサービス管理)システムを活用した最適ルート設定の考え方と、自動ルーティング・自動ディスパッチの違い・それぞれの役割を解説します。
フィールドサービスのスケジュール管理や訪問計画の効率化を検討している方の参考になれば幸いです。
フィールドサービスDXコンサルタント
製造業・設備保守業のアフターサービス部門のDX推進を専門とし、FSMシステムの導入支援・業務設計に多数携わる。CSOne公式コンテンツの執筆・監修を担当。
🔍この記事でわかること(30秒で把握)
- 手作業のルート設定は「部分最適」にしかならず、移動時間の無駄が生まれやすい
- 自動ルーティングは「どの順序で回るか」、自動ディスパッチは「誰をどこに配置するか」を最適化する
- CSOneの試算では、自動ルーティングで移動距離61%削減、自動ディスパッチで作業工数95%削減の効果が見込まれる
- ルーティング×ディスパッチ×スケジュール管理の連動が、移動時間削減の鍵
フィールドサービスの移動時間はなぜ長くなるのか
目次
フィールドサービスのルート設定を手作業で行っている現場では、移動時間が必要以上に長くなりがちです。その原因は大きく3つあります。
部分最適にしかならない:地図アプリで個別に訪問ルートを検索するだけでは、1件ごとの経路は最適でも、複数の訪問先を組み合わせた巡回ルートの最適化はできません。
5件の訪問先を回る順序の組み合わせは120通り。10件になれば360万通りを超えます。
人の判断だけで全体最適を導くのは現実的に困難です。
担当者の配置が考慮されていない:訪問ルートだけを最適化しても、「その担当者がその案件に対応できるスキル・資格を持っているか」「現在地からの移動距離は妥当か」を同時に考慮しなければ、結局は非効率な配車計画になります。
急な変更への対応が難しい:フィールドサービスでは、当日の急な追加依頼やキャンセルが日常的に発生します。
手作業でルートを組んでいると、変更のたびに全体の組み直しが必要になり、ディスパッチの最適化が追いつきません。
最適ルート設定の基本的な考え方
FSMにおける最適ルート設定を考える際、まず押さえておきたいのは「最短ルート」と「最適ルート」は異なるという点です。
最短ルートは単純に距離が短い経路を選ぶものですが、最適ルートはそれに加えて、顧客の希望時間帯、各訪問先での作業所要時間、SLA(サービスレベル契約)の優先度、担当者の勤務時間を総合的に考慮して決定されます。
さらに重要なのは、1人の担当者の訪問ルートだけでなく、複数の担当者の訪問先を同時に最適化する「全体最適」の視点です。
Aさんが訪問すれば移動距離は短いが対応スキルがない、Bさんは対応可能だが移動距離が長い――こうした判断をチーム全体で最適化するのが、FSMシステムによる最適ルート設定の価値です。
自動ルーティングでできること
自動ルーティングは、「決まった訪問先をどの順序で回れば最も効率的か」を自動計算する機能です。
複数の訪問先の位置情報をもとに、移動距離・移動時間を最小化する巡回ルートの最適化を行います。
顧客の希望時間帯や各訪問先での作業所要時間も考慮されるため、「午前中指定のA社を先に訪問し、午後にB社とC社を効率よく回る」といった現実的なスケジュールが自動生成されます。
新しい訪問先が追加されたり、キャンセルが入ったりした場合も、ルートを自動で再計算できます。
手作業での組み直しが不要になるため、急な変更にも柔軟に対応できます。
CSOneの試算では、自動ルーティングの活用により移動距離を61%削減できるという結果が出ています(※業務内容や地理的条件によって削減幅は異なります)。
移動時間の削減はそのまま訪問件数の増加や燃料コストの削減につながります。
自動ディスパッチでできること
自動ディスパッチは、「誰をどの訪問先に配置するか」を自動で最適化する機能です。
自動ルーティングが「ルートの順序」を最適化するのに対し、自動ディスパッチは「人員の配置」を最適化します。
担当者のスキル・保有資格・現在地・既存スケジュール・対応可能な作業種別を踏まえて、最も効率的な人員配置をシステムが算出します。
たとえば、「A地区の修理依頼にはスキルを持つBさんが最寄りにいるため、Bさんを配置。同時にC地区の点検はDさんに割り当てる」といった判断を瞬時に行います。
管理者が手作業で行ってきたフィールドサービスのスケジュール調整を自動化することで、ディスパッチ業務の属人化を解消し、調整工数を大幅に削減できます。
CSOneの試算では、100人のサービスマン・月2,000件規模の現場で、ディスパッチ作業工数を95%削減できるとされています(※480時間の手作業が2時間程度に短縮される試算)。
作業スケジュール管理との連動
ルート最適化の効果を最大化するには、作業スケジュール管理との連動が欠かせません。
フィールドサービスのスケジュールには、定期点検(保守契約に基づく計画訪問)、スポット依頼(修理・障害対応)、緊急対応(即日対応が必要な案件)が混在しています。
これらを一元的に管理し、ルート最適化と連動させることで、「定期点検の合間に近隣のスポット依頼を入れる」「緊急対応が入った際に最寄りの空き担当者を自動割当する」といった柔軟な訪問計画の効率化が実現します。
CSOneでは、保守契約・定期点検の予定と連動した作業スケジュール管理が可能です。
スケジュール画面で担当者ごとの訪問予定・移動経路を可視化でき、稼働状況の把握や負荷分散にも活用できます。
担当者はモバイル端末からリアルタイムにスケジュールを確認し、ナビゲーションに活用することもできます。
なお、CSOneは初期費用0円、月額24,000円(3ユーザー)からスモールスタートできるため、まずは自動ルーティングまたは自動ディスパッチのどちらかから導入し、スケジュール管理との連動は段階的に拡張していくアプローチが取りやすい料金体系です。
導入支援にはFit&Gap・パラメータ設定・移行支援・トレーニングが含まれており、既存のルート計画・ディスパッチ業務からの移行設計もサポートされています。
まとめ
フィールドサービスにおける移動時間の削減は、個別のルート検索ではなく、自動ルーティング(巡回順序の最適化)と自動ディスパッチ(人員配置の最適化)を組み合わせ、作業スケジュール管理と連動させることで実現します。
FSMで最適ルートを設定し、ディスパッチとスケジュールを統合管理すれば、移動時間の削減・訪問件数の増加・管理者の工数削減が同時に進みます。
移動時間の削減を含むフィールドサービス全体の作業時間短縮については、関連記事「フィールドサービスの作業時間を30%削減する5つの方法」で俯瞰的に解説しています。
また、移動後の報告業務の効率化については「モバイルアプリで現場報告書を即座に作成」、AIを活用したディスパッチ・ルーティングの最適化については「AIを活用したフィールドサービスの最適化」もあわせてご参照ください。
よくあるご質問
Q1. 自動ルーティングと自動ディスパッチは何が違いますか?
Q2. 自動ルーティングでどのくらい移動距離を削減できますか?
Q3. 急なスケジュール変更が入った場合、ルートは自動で再計算されますか?
Q4. 自動ルーティングと自動ディスパッチ、どちらから導入するのが効果的ですか?
訪問ルートの最適化やディスパッチの改善を相談したい方は
自動ルーティングや自動ディスパッチ機能を確認したい方、作業スケジュール管理の改善について詳しく知りたい方は、
まずはCSOneへお問い合わせください。
導入支援にはFit&Gap・パラメータ設定・移行支援・トレーニングが含まれており、既存のルート計画・ディスパッチ業務からの段階的な移行をサポートしています。
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