レイヤードジャパン株式会社はLeyard Optoelectronic Co., Ltd. の100%出資で2014年に設立した日本法人です。レイヤードグループは、7年連続で世界のLEDディスプレイ製品の市場シェアで第1位となっており、LEDディスプレイ製品市場のリーディングカンパニーとして常に最先端のテクノロジーを提供しています。
日本国内においても、独自モデルの開発や既存製品を改良した日本向け専用モデルの開発も行っており、多くのデモ機や保守用スペアパーツ、国内修理のための計測器などを揃えています。その意味で、LEDディスプレイ製品のアフターサービスの効率化はビジネス拡大・お客様満足度向上のためには重要な要素を担っています。
今回はCSOneのシステムを導入したことで、レイヤード様のアフターサービス業務が以下に効率化したかを解説します。

  • 導入背景
  • 利点1. バーコード/QR読み取りによるシリアル番号の自動入力
  • 利点2. データベース化により情報へのアクセスが容易に
  • 利点3. 携帯・iPadを活用した業務の効率化
  • 「バーコード/QR連携」を通じて「預り修理」の効率向上に成功

導入背景

レイヤード様がCSOneの導入に至った背景には、預り修理の効率化と情報管理の精度向上に関する複数の課題がありました。取り扱っている製品は、コンサートやステージ、スタジオ、商業施設など様々なシーンで使用されるLEDディスプレイで、これらのLEDディスプレイのモジュールの預り修理対応を行っていますが、修理品の数量が急増する中で管理が煩雑になり、特に一度に数百枚のモジュールが送られてくることもあり、シリアル番号ごとに修理履歴を管理し、報告書を作成する作業は膨大で、作業ミスや情報の抜け漏れが発生するリスクも高まりました。
また、修理品の管理や対応履歴を手作業で行っていたため、過去の修理履歴や類似案件を迅速に参照することが難しく、案件ごとに検索する手間がかかっていました。加えて、一部データ管理が紙ベース、またはエクセルで行われており、情報の一元化ができず、必要な情報を取り出すまでに時間がかかり、情報の検索性が低下していました。そのため、情報のデータベース化を早急に進める必要がありました。
さらに、預り修理だけでなく、出張修理時には、現場で手書きの報告書を作成し、その後事務所で手入力する手間がかかり、二重入力やデータ転送のミスが発生する可能性もありました。
上記のような課題の中で、預り業務を中心としたアフターサービスの業務の全体的な効率化が求められる状況となり、より効率的なシステムの導入が急務となっていたのです。

利点1. バーコード/QR読み取りによるシリアル番号の自動入力

CSOneシステムの導入により、改善された部分の1つが、LEDディスプレイ機器に付与されているバーコード/QRを利用したシリアル番号の自動入力と、それに基づくサービス報告書の作成プロセスです。この機能は、預り修理業務における作業効率と精度を大幅に向上させました。
従来、LEDディスプレイの預り修理対応において、シリアル番号の手入力は時間がかかるだけでなく、ミスが生じやすい作業でした。数百枚もの修理品が一度に送られてくると、その管理が非常に煩雑になり、1つ1つのモジュールに付けられたシリアル番号を手動でシステムに入力する必要がありました。このプロセスは時間を要するだけでなく、誤入力や記入漏れなどのリスクも高く、特に大量の修理品を取り扱う際には問題となることが多かったのです。
その点、CSOneシステムでは、修理品に付与されたシリアル番号をバーコード/QRで読み取ることで、瞬時にシステムに入力することができるため、手作業によるミスを防ぎ、情報入力の精度が向上しました。さらにマスター情報として機器コードやクライアント名などの顧客情報が連携されているので、入力作業にかかっていた時間を短縮することに成功しました。
さらに、シリアル番号や顧客情報などがシステムに自動的に入力されるだけでなく、その後、サービス報告書も迅速に作成されます。修理品のシリアル番号をシステムに読み込んだ瞬間に、関連する修理履歴やサービス情報が自動的に反映され、報告書の作成が効率化されます。これまで、サービス報告書は手書きで行われ、その都度詳細な修理内容や対応履歴を記入しなければならなかったため、時間がかかり、記入漏れや記入ミスのリスクも存在しました。
しかし、CSOneでは、システムに入力されたデータに基づいて、必要な情報がすぐにサービス報告書に反映され、作成が自動化されます。これにより、手書きでの記入作業が不要になり、報告書作成のスピード・精度が向上しました。

利点2. データベース化により情報へのアクセスが容易に

CSOneのシステムにより、情報へのアクセスが劇的に改善されました。それ以前は、案件情報などが電子化されておらず、過去の対応履歴や修理履歴の検索に時間がかかっていました。特に、過去に同様の修理案件があった場合、その情報を手元で即座に確認できれば即座に対応できるにもかかわらず、データベース化されていないために、改善の余地がありました。
CSOneの導入により、顧客・案件・機器などの情報がデータベース化され一元管理された結果、業務に必要な情報を迅速に検索することができるようになりました。これにより、スタッフの対応スピードが格段に上がり、顧客満足度の向上につながっています。特に、案件別に過去の修理品情報や対応した回数、類似した事案をデータベース化できた点は業務の効率化に非常に役立っています。過去の修理履歴や同様の事案に対する対応状況が参照できるようになったことで、無駄な調査や確認作業を省くことができ、生産性が上がりました。
さらに、紙ベースではなく電子化された状態で情報を管理するため、情報が属人化することなく、修理状況や案件進捗状況を関係者が適切に確認でき、スタッフ間での情報共有が円滑になりました。この結果、迅速な意思決定が可能となり、業務全体の流れがスムーズになり、効率的な修理対応が実現しました。

利点3. 携帯・iPadを活用した業務の効率化

CSOneの導入により、アフターサービス業務が大幅にスムーズになりました。例えば、今までは手作業で記入していた作業伝票やサービス報告書は、記入に時間がかかり、効率化の限界がありました。しかし、CSOneのシステムにより、マスター情報をシステムに入力さえしていれば、数クリックするだけで報告書や各種伝票に必要な情報が記載された状態で作成されるため、手書きのときに比べ、圧倒的に時間短縮に繋がりました。
さらに、基本的には預り修理がメインではあるものの、出張作業も一部存在しており、外出先での作業報告も、手書きからiPadや携帯端末での入力に切り替えることができました。これにより、スタッフは現場でリアルタイムにデータを入力でき、帰社して二重入力するといった後処理の手間が省けました。特に、出張修理時には、携帯・iPadを活用してその場で修理内容を記録できるため、修理完了後の情報伝達が迅速かつ正確になり、業務全体の効率が向上しました。

「バーコード/QR連携」を通じて「預り修理」の効率向上に成功

CSOneシステムの導入は、レイヤード様の預り業務効率化と情報管理の精度向上に大きな成果をもたらしました。導入前の課題として、修理品の数量増加による管理の煩雑さや手作業でのデータ入力がありましたが、CSOneによってこれらの課題が解決されました。
特に、バーコード/QR読み取り機能によってシリアル番号の自動入力が可能になり、報告書作成が迅速かつ正確に行えるようになりました。また、情報のデータベース化により、過去の修理履歴や類似案件を素早く検索でき、スタッフの対応スピードが大幅に向上しました。さらに、iPadや携帯端末を活用した現場での入力が可能となり、出張修理の際もリアルタイムで情報を記録できるようになったことで、二重入力や後処理の手間を省き、業務の効率化が進みました。
これらの改善により、スタッフはより迅速で正確な対応が可能となり、顧客満足度の向上にも繋がりました。全体として、CSOneの導入はレイヤード様の業務における生産性向上と品質改善に寄与し、アフターサービス業務の効率化を実現するための重要な一歩となりました。