ライフホーム株式会社をはじめとするライフホームグループは、家庭用水回り、給湯器関連商材の販売、メンテナンスを行うホームメンテナンス会社です。中でもディスポーザーの代理店として、日本全国をカバーし、商品の販売、設置、修理において一定のシェアを占めています。”こぼれるまでサービス” を旗頭に、順調に業績を伸ばし、CSOne導入当初に5ユーザ前後だったユーザ数は、今では50を超え、100にせまる勢いです。

お客様であるエンドユーザは、コンシューマと呼ばれる一般家庭の個人ユーザ。B2Cビジネスには、独特の機能要件やスピード感があります。例えば、昨今言われるユーザエクスペリエンスの向上策の一環で、コールセンターにおけるマルチチャネル化(Tel, FAX, メール, チャットによる受付対応)の取り組みがありますが、請求支払方法についてもユーザエクスペリエンスは常に意識されます。銀行振込、クレジット払い、現金といった多様な支払方法に加え、請求先、支払元についても、エンドユーザや管理会社の要望に基づき、多くのプレイヤーを絡めた複雑な動きをします。
エンドユーザや管理会社からの、こうした厳しい要件に答えるため、CSOneをバックボーンとして基幹となる業務プロセスを構築すべく、CSOne導入を決定しました。

ライフホーム様におけるCSOne導入の目的は、I. 営業支援、II. 業務基盤の整備と、III. カスタマーエクスペリエンス向上の3点でした。

I. 営業支援

そもそもホームメンテナンス業の会社にとっては、メンテナンス = セールス活動であり、メンテナンス商材を販売・設置する”営業マン”(=フィールドサービスマン)を支援する営業支援システムが必要です。CSOneはアフターサービス業務支援システムですが、メンテナンスの営業をされる営業マンを支援する機能が標準で揃っており、ライフホーム様がCSOneを採用したのも、CSOneを営業支援システムとして活用するという判断が最初でした。以下の営業支援機能で営業マンを支援できるようになりました。

顧客管理機能

物件情報や既設機器、メンテナンス履歴を管理する機能が標準搭載されているので、営業マンによる顧客情報の検索が容易で、顧客からの質問・要望に対して迅速なアクションを取ることができます。

スケジュール管理

営業マンがいつどの物件を訪問するかといったスケジュールを、オンラインボード形式で把握できます。

見積管理

顧客に提示する見積について、その顛末の管理が容易にできるようになったことで、受注 / 失注の統計だけでなく、進捗のない見積案件を抽出し、顧客フォローをすることで、機会損失が削減されます。

モバイル作業日報・電子サイン

タブレットやスマートフォンといったモバイル端末での現場報告、電子サインの受領を可能にしたことで、現場で紙入力した報告書を、月末に売上としてパソコンに打ち込むといった二重入力作業から解放されます。

ライフホーム株式会社の場合、これら営業支援機能に加え、ホームメンテナンス業界特有のキャンペーン管理機能を追加カスタマイズで実装し、キャンペーンの内容と実績の予実を管理することで、マーケティングリソースの投下対象の見極めに役立てています。

II. 業務基盤の整備

2つ目は、受注、ディスパッチから商品や協力業者の発注、作業報告、その後の請求・入金・在庫管理に至るまでの一連の業務基盤を整備し、事務処理による抜け漏れをなくすことでした。
CSOne導入前は、案件管理(CRMシステム)、見積(EXCEL)、作業報告書(紙)がそれぞればらばらのシステム・仕組みで動いている状況でした。顧客情報が統合されておらず、過去の見積も、大量のEXCELファイルから探さなくてはなりません。Windowsのエクスプローラ機能でうまく検索ヒットしないこともあり、結局、関連しそうなファイルを一つ一つ開いて確認しなければならない状況でした。

CSOneでは案件の発生からクローズまでの全てのデータは関連付けされており、整合性を持った形でデータベースに格納されるので、未対応等の進捗を一目で追うことができます。
またフィールドサービス業務の一連の業務プロセスが完成された形で搭載されているので、例えば請求登録は受注確定後、要員手配は案件登録後など、各ビジネスプロセスにおける前提条件が満たされないと次に進めないように設定することも可能です。ライフホーム様の場合、システム的な牽制ポイントを一定数設けることで、コンプライアンスが強化され、顧客により信頼される仕組みを構築しました。

III. カスタマーエクスペリエンス向上

最後に、B2Cビジネスならではの取り組みとして、カスタマーエクスペリエンス向上のためにライフホーム様が掲げたIT施策をいくつかご紹介します。顧客接点を効率化、高品質化し、顧客満足度を向上する取り組みを今後も続けていく想定です。

オンライン日程予約

時間のない顧客から、訪問日程をオンラインで予約していただけるサイトを構築しました。顧客による日程予約リクエストはCSOneシステムに連携され、案件情報登録と同時にスケジュール反映されます。不具合発生の電話連絡、訪問日程の調整など、2回、3回と電話によるやり取りが必要なケースもありますが、日程予約をオンライン化することで、1事案あたりの電話の回数がゼロ又は1回程度に減り、顧客、社内双方の時間を節約することができました。

チャットボットによるユーザ対応

新たな顧客チャネルとして、チャットボットによる不具合連絡の受付、商品説明等を可能にしました。実験段階ではありますが、19年初めには対象物件にご案内を出し、チャットボットによる応対が開始されます。ここで蓄積した顧客とのやり取りを分析し、更に精緻化することで、将来的には窓口のAI化も目指します。

 

加藤社長から一言

導入システム検討のため、いくつかの展示会やセミナーに足を運びましたが、ホームメンテナンス系システムの多くは、リフォーム等の管理に特化していました。当社が取り扱う商品の製造元であるP社やT社が、手組みで開発したアフターサービス向けの社内システムが、最も業務実態に合うと考え、探し続けましたが、なかなか見つかりませんでした。

ネット検索や展示会等でシステムを探した結果、サービス案件の入口から出口までの管理や、モバイル報告等を実施でき、リーズナブルな価格でサービス提供しているシステムは、CSOneのみであるとわかり、コンタクトしてみました。実際にデモしていただき、当社のビジネスに合致するものとわかりました。

業務的なフィット率も高かったわけですが、当社としてCSOneの採用、そして継続利用につながった最も大きな理由は、100名前後の中小企業はどの会社も抱いている課題かと思いますが、社内でシステム要員を抱えることによるリスクです。
EXCELマクロやACCESS等で自由自在に作成されたシステムは、社内に情報システム担当がいるうちは有効ですが、ひとたび当人が退職や休職してしまうと、システム内がブラックボックス化し、運よく後任が見つかったとしても、後任への引継ぎもままならなくなってしまいます。

CSOneは、単にシステムの箱を提供するだけのクラウドサービスではなく、システムに係る運用や保守もアウトソースできるサービスです。実際、当社の担当者からは、システムの操作方法や運用だけでなく、当社の業務を隅々まで把握いただいた上で、業務そのものの運用方法、管理方法についても、さまざまなアドバイスをいただいています。ランニングコストが多少かかっても、ブラックボックス化した社内システムを復旧するコストに比べれば、軽微なものだと思っています。