近年、フィールドサービスを展開する企業には生産性向上や業務効率化が求められており、それに伴い各企業はDX化(ITを活用した業務改善)を図っている傾向があります。

DX化を後押しするために有効な手段が、SaaS製品の導入です。

 

そこでこの記事では、フィールドサービスにおすすめのSaaS製品を5つ紹介します。

DX化を図っている企業の経営者様は、ぜひ参考にしてみてください。

 

<h2>そもそもSaaSとは</h2>

 

SaaS」とは、インターネット経由でクラウド上にあるソフトウェアをユーザーが利用できるサービスのことです。

Software as a Service」の略であり、「サース」「サーズ」などと呼びます。

身近な例でいうと、Googleのメールサービス『Gmail』やオンラインビデオツール『Zoom』などがSaaSに該当します。

 

従来までは、ソフトウェアはパッケージとして販売されており、それをパソコンにインストールすることで利用が可能になっていました。

しかし、SaaSの誕生により、ソフトウェアを利用するインフラ環境が整っていなくても、インターネットからアクセスするだけでサービスを利用できるようになったのです。

その利便性に注目が集まり、近年では多くの個人や企業に対してさまざまなSaaSが提供されています。

 

また、昨今のリモートワークの増加の影響により、SaaSの需要は増しており、多くの企業がSaaSを取り入れています。

 

<h2>フィールドサービスにおけるSaaSの重要性</h2>

 

フィールドサービスを展開している企業においても、これまで利用してきたシステムをSaaSに移行している事例が目立ちます。

従来のフィールドサービスの現場においては、自社のネットワークで情報を管理するオンプレミスという形式が主流でした。

そのため、作業現場から自社のネットワークにアクセスできない状況にあったのです。

 

しかし、SaaSはインターネットにつながっていればいつどこからでもリアルタイムで顧客情報を閲覧することができます。

そのため、SaaSを導入することでフィールドサービスの現場においてはよりスピーディな顧客対応が可能になります。

 

つまり、フィールドサービスを展開している企業にとってはシステムをSaaSに移行することが重要だといえるでしょう。

 

<h2>フィールドサービスのSaaS製品を選ぶポイント</h2>

 

フィールドサービスを展開している企業で、SaaSへの移行を検討している経営者は多いのではないでしょうか。

あるいは、既存のSaaS製品をほかの製品に変えたいと考えているという場合もあるでしょう。

そのようなときは、以下のポイントを押さえたうえでSaaSを選ぶことをおすすめします。

 

フィールドサービスのSaaS製品を選ぶポイント

<ul>

<li>標準搭載されている機能</li>

<li>カスタマイズが可能かどうか</li>

<li>プランと料金</li>

</ul>

 

まずは、標準搭載されている機能には何があるのかを把握しておきましょう。

製品によっては、有料オプションを追加しないと使えない機能があることも考えられるので、導入の前段階でしっかりと把握しておくことが重要です。

 

次に、製品のカスタマイズが可能かどうかも重要なポイントです。

標準仕様の状態から自社に合った仕様にカスタマイズしたい場合には、対象の製品がカスタマイズできるかどうかを知っておくことが重要だといえるでしょう。

 

最後に、プランと料金もSaaS製品を選ぶポイントの1つに挙げられます。

しかし、フィールドサービス向けのSaaS製品におけるプランと料金などの情報は、インターネット上ではあまり掲載されていないという傾向にあります。

料金次第で導入するかどうかを判断したいという製品が見つかった場合は、製品を販売している企業に直接問い合わせてみるとよいでしょう。

 

<h2>フィールドサービスにおすすめのSaaS製品5</h2>

 

フィールドサービス向けに展開されているSaaS製品はいくつかありますが、それぞれ標準搭載している機能や製品の強みが異なります。

そこで、ここからはフィールドサービスにおすすめのSaaS製品を5つ紹介します。

 

<h3>SaaS製品①Salesforce Field Service</h3>

 

Salesforce Field Service』は、世界中多数の企業に使用されているフィールドサービス向けのSaaS製品の1つです。

 

こちらのシステムは、世界最大級のSaaS企業であるアメリカのセールスフォースドットコムより提供されています。

セールスフォースドットコムは、世界第一位のシェアを占めるCRMSalesforce』を提供している会社でもあります。

 

<h4>Salesforce Field Serviceの特徴</h4>

 

Salesforce Field Serviceの最大の特徴は、Salesforceとの連携が可能なことです。

 

Salesforceは主に顧客情報を管理するシステムとして利用されています。

Salesforce Field ServiceSalesforceを連携することで、たとえば顧客からの電話問い合わせが来た際には顧客情報を自動的に表示させる機能が働きます。

受電してから手動で顧客情報を検索する手間が省けるため、顧客にとっても利便性を感じられる機能の1つであるといえるでしょう。

 

また、スマホから簡単に作業報告ができる点も、Salesforce Field Serviceの特徴として挙げられます。

 

フィールドサービスの現場においては、作業が完了したら顧客から完了の証としてサインをもらう必要があります。

しかし、これまではそのサインを紙媒体で受領しているケースが一般的でした。

そのため、作業員は紙媒体で受領したサインを帰社後にパソコンに読み込むという二度手間が発生していたのです。

 

Salesforce Field Serviceを利用すれば、サインを電子上で受け取ることが可能です。

作業員は電子サインの受領後に、クラウド上のシステムに電子サインを共有することで作業報告が完了します。

 

なお、こちらのサービスにはSmallプラン・Mediumプラン・Largeプランの3つが存在しますが、後者になるほど標準搭載されている機能は多いです。

 

Mediumプランは、Smallプランに加えてさまざまな機能が追加されたプランです。

たとえば、問い合わせもとの電話番号に応じて顧客情報を自動表示できる機能、顧客対応記録を自動作成する機能、そして顧客との通話を録音できる機能などが追加されます。

さらに、Largeプランになるとマイページから問い合わせや履歴のチェックができる機能が付きます。

 

すべてのプランに共通して搭載されている標準機能をベースとして、プランのグレードが上がるにつれて搭載される機能が充実していくようなかたちです。

 

<h3>SaaS製品②eSmileFeSS </h3>

 

eSmileFeSS』は国内の大手総合電機メーカーである、パナソニック傘下のパナソニックインフォメーションシステムズより提供されるフィールドサービス向けのSaaS製品です。

パナソニックインフォメーションシステムズはさまざまなITソリューションを展開するシステム開発会社です。

 

<h4>eSmileFeSSの特徴</h4>

 

eSmileFeSSは同社のコールセンターシステム『eSmileCall』との連携機能が標準で搭載されており、顧客からの問い合わせに応じたスピーディな作業員のアサインが可能です。

 

コールセンターで受託した依頼内容は、作業員にメールが自動で送られるという設定になっています。

また、作業員の経験やスキル、拠点などでグループ分けできる機能も搭載されているので、依頼内容に応じた適切なアサインができるでしょう。

 

さらに、eSmileFeSSはリアルタイムな売上処理を行うことができます。

顧客からの依頼の対応後、その案件で発生した売上が即座にシステムに記録されるという仕組みです。

これにより、その月の売上予測を立てやすくなるので、フィールドサービス業務を管理するマネージャーは明確な指標にもとづいた経営を行えるようになります。

 

なお、eSmileFeSSはリーズナブルな価格で、すぐに導入したいという要望のある企業におすすめのシステムです。

 

<h3>SaaS製品③Dynamics 365 Field Service</h3>

 

Dynamics 365 Field Service』は、世界最大級のアメリカのソフトウェア会社であるマイクロソフトが展開しているフィールドサービス向けのSaaS製品です。

このシステムは、マイクロソフトがビジネス向けに提供している『Microsoft Dynamics』の基幹商品の1つです。

ビジネス向けの商品には、CRMサービス『Dynamics 365 Sales』やマーケティング支援サービス『Dynamics 365 Marketing』など多数の商品があります。

 

<h4>Dynamics 365 Field Serviceの特徴</h4>

 

Dynamics 365 Field Serviceはマイクロソフトが提供するあらゆるサービスと連動できる点が、特筆すべき強みの1つです。

Microsoft Dynamicsの商品はもちろんのこと、ドキュメント管理サービス『Office 365』や、メール作成やスケジュール管理できるサービス『Outlook』などとの連動が可能です。

また、WordExcelPowerPointなどのOffice製品との連動もできます。

 

上記のように、Dynamics 365 Field Serviceはビジネスパーソンが日常的に使用するマイクロソフト製品と連動できるため使い勝手がよいと感じるでしょう。

ほかのマイクロソフト製品と操作性や視覚的なレイアウトが似通っているため、直感的に操作しやすいという点も強みだといえます。

 

また、システムのカスタマイズ性に優れている点も、Dynamics 365 Field Serviceの特徴です。

専門的な操作を必要とせずとも自社に合ったかたちにカスタマイズできるので、利便性が向上します。

なお、システムのカスタマイズは、Dynamics 365 Field Serviceを扱っているベンダーに依頼することで実現できます。

 

<h3>SaaS製品④Oracle Field Service</h3>

 

Oracle Field Service』は、アメリカのソフトウェア会社であるオラクルが展開しているフィールドサービス向けのSaaS製品です。

同社はマイクロソフトに次ぐ規模のソフトウェア会社として君臨しており、世界中で多くの企業にサービスを提供しています。

 

<h4>Oracle Field Serviceの特徴</h4>

 

Oracle Field Serviceは機械学習能力に長けたAI機能を搭載しているシステムです。

このAI機能により、Oracle Field Serviceは人手を介さない作業員のアサインを実現させており、アサインの精度を高くする処理を行っています。

 

また、Oracle Field Serviceはアサインのスピードも早く、そのスピードは1万件の依頼を1千人の作業員に対しておよそ4分で割り振れるほどだとされています。

緊急性の高い案件が舞い込んできた場合にも、人手を介さないAIによって自動的な作業員のアサインが可能です。

 

さらに、Oracle Field Service 1つの作業の効率を最大化させるための工夫も施しています。

作業員の移動時間やルート、作業時間まで隅々まで計算し、その時々に応じた適切なリソース配分を実現しているため、作業の効率化を進めてくれるでしょう。

 

<h3>SaaS製品⑤CSOne</h3>

 

CSOne』は日本のシステム会社である株式会社シーエスワンが提供するフィールドサービス向けのSaaS製品です。

直近では、顧客貢献度が高い企業に送られる『ASPIC IoTAI・クラウドアワード2020』の基幹業務系ベストイノベーション賞を受賞するといった実績を残しています。

 

<h4>CSOneの特徴</h4>

 

CSOneの大きな特徴は、1つのシステムで広範な業務の管理を支援できるという点です。

CSOneにはフィールドサービスシステムだけではなく、在庫管理や販売管理などほかの業務領域のシステムも搭載されています。

フィールドサービスシステムの多くは、フィールドサービスの支援に特化したものが多いので、CSOneはほかのシステムと比べてみても珍しいといえるでしょう。

 

業務のタイプ別にシステムを分けていると、システム間の連動を図る必要性が出てきます。

その点、CSOneは多用な業務を一元管理できるため、異なるシステム同士で連動するよう設定を行う手間が発生しません。

また、システム別に同じ内容のものを入力するといった手間もかかりません。

 

そして、リーズナブルな価格設定を実現していることもCSOneの特徴の1つです。

初期費用はなしで、最小で3ユーザーから始められます。

同業他社の製品では初期費用が発生することも多く、かつ導入するときに必要な最小のユーザー数も多い傾向にありますが、CSOneであればそれらを最小限に抑えられます。

 

<h2>フィールドサービス向けのSaaS製品の選択肢は豊富!</h2>

 

いかがでしたでしょうか。

 

近年、DX化による業務改善が求められているフィールドサービスは、オンプレミスからSaaSへと移行しつつあります。

SaaS製品を導入したいときに見るべきポイントは、標準搭載されている機能、カスタマイズが可能かどうか、そしてプランと料金です。

 

また、実際に販売されているSaaS製品のなかにはSalesforce Field ServiceDynamics 365 Field Serviceなど業界最大手が展開しているものもあります。

ただし、大手の製品だからといって自社に合うかどうかはわからないので、しっかりと自社に合ったものを見極めて選びましょう。

 

この記事でも紹介したCSOneは株式会社シーエスワンが提供しているシステムです。

当製品にご興味をお持ちの企業様は、ぜひご相談ください!