株式会社タクト・マシン・サービス様は、各種コンピュータ、ネットワーク機器について企画・設計から導入・構築、運用・保守に至るすべてのフェーズで各種サポート&サービスを提供しています。
特に、OA/IT機器メンテナンス・サポートが事業の柱であり、小ロット商品の保守や、メーカー様が対応できない時間外やエリア外の対応などの小規模なものから、メーカー様のサービス部門としてお客様のお問い合わせ窓口受付業務から保守対応、その後の修理報告から商品の品質向上、さらには商品開発へのフィードバックまでを一手に引き受けています。
こうした幅広い業務を担う中で、同社は「メーカーが直接対応できない部分を補完し、顧客に安心を届ける存在」として重要な役割を果たしています。そのため、迅速かつ正確な対応が常に求められ、特にオンサイト業務をいかに効率的にオペレーションするかが競争力を左右していました。顧客数が非常に多いため、サービスマンや拠点、管理する部品の数も必然的に膨大となり、業務効率化と品質確保を同時に実現できる仕組みが大きな経営課題になっていたのです。
以下、フィールドサービス管理システム「CSOne」を導入したことで、タクト・マシン・サービス様の業務がどのように改善され、どんなメリットがあったのかを詳しく解説していきます。
導入背景
目次
特に大きな課題はサーバー負荷の増大による処理速度の低下でした。案件数や管理情報が増えるたびに動作が重くなり、検索や帳票出力のたびに待ち時間が発生。わずかな作業に数分かかることもあり、日々の業務効率を著しく下げていました。サービスマンやスタッフからは「システムのために残業している」という声も上がり、全社的に生産性を損なう要因となっていたのです。
さらに、システムの柔軟性の低さも悩みの種でした。小さな仕様変更であっても外部業者への依頼が必要で、そのたびにコストと時間が発生。たとえば帳票のレイアウト修正や権限設定の変更など、本来は数時間で終わるはずの作業が数日〜数週間かかることもあり、現場の改善ニーズにスピーディに対応できませんでした。システムがむしろ業務の足かせとなり、改善サイクルが止まってしまう状況だったのです。 また、業務全体を一元管理できていないことも深刻でした。案件受付、部品の在庫管理、サービスマンのスケジュール調整といった重要な業務は別々の仕組みや紙で管理され、情報が分断。過去の修理履歴を探すだけでも複数の資料を突き合わせる必要があり、ミスや手戻りも頻発していました。情報がつながらないため、経営層も現場の状況を俯瞰できず、的確な意思決定が難しい状態でした。
こうした複合的な課題を解決するため、同社はシステム刷新を決断。業務全体を俯瞰し、スピードと柔軟性を兼ね備えた新しい基盤を求め、そのパートナーとして選んだのがCSOneでした。クラウド型で幅広い業務を一気通貫にカバーできる点が、高く評価されたのです。
利点①|オンサイト業務を1つのシステムで一元管理
タクト・マシン・サービス様がCSOneを導入して最も大きな効果の一つは、案件受付から部品管理、サービスマンのスケジューリング、作業報告、請求・入金処理に至るまで、オンサイト業務全体を1つのシステムで一元管理できるようになったことです。従来は複数のシステムや紙帳票の併用が多発しており、同じ情報を二度三度と入力する非効率が常態化していました。そのため情報が分断され、現場で発生したトラブル内容や修理履歴をすぐに参照できない、請求処理が遅れる、といった問題に直面していたのです。CSOneに切り替えたことで、案件発生、必要部品の調達、サービスマンの派遣、作業報告書とをシームレスに管理できるようになりました。特に評価されたのは、処理スピードが期待通り早かった点です。過去の自社開発システムでは、年々サーバー負荷が増し、ちょっとした入力や検索にも数分を要する場面がありました。CSOneではクラウド基盤と最適化された処理設計により、検索や帳票作成がスムーズに行えるようになり、業務ストレスを大幅に軽減しました。
さらに、同社が属するOA/IT機器業界特有の要件にもCSOneは適合しています。OA機器やIT機器のサービス会社は、全国に数多くの拠点を持ち、顧客数も多く、管理対象となるメーカー、部品、消耗品の種類も非常に多岐にわたります。こうした業界では、情報が複数システムに分散していると、在庫の所在が不明になったり、点検スケジュールが重複したりするリスクが極めて高いのです。CSOneを活用すれば、拠点や在庫、契約内容を横断的に結び付けて一元管理できるため、全体を俯瞰した効率的な運営が可能になります。その結果、同社では部品在庫の最適化や案件の進捗確認が効率的に進み、社員の生産性が飛躍的に向上しました。
このように、CSOneによる業務の一元管理は単なるシステム刷新ではなく、複雑で広範囲にわたるオンサイト業務を整理し、確実かつスピーディに遂行するための基盤となっています。特にOA/IT機器業界のように拠点数・部品数が膨大な業種においては、その効果は絶大であり、同社のサービス品質と生産性を同時に引き上げる大きな原動力となっています。
利点②|ノンコードでシステム仕様の修正が可能
CSOne導入のもう一つの大きな利点は、システムの仕様を自社で柔軟に修正できる「ノンコード対応」です。従来の自社開発システムでは、ほんの小さな変更であっても外部の開発業者を通す必要がありました。例えば、社内での権限設定を少し見直したい、あるいは顧客ごとに求められる帳票レイアウトを変えたいといった単純な要望であっても、その都度開発依頼が必要で、時間もコストも余計にかかっていたのです。現場の改善ニーズをすぐに反映できず、システムが業務の足かせになる場面も少なくありませんでした。CSOneでは、こうした小規模な変更を自社担当者がノンコードで対応できるようになっています。権限の追加・変更、帳票レイアウトの修正、一覧画面の項目追加といった作業は、専門知識がなくても簡単に行うことができます。結果として、現場のフィードバックを素早く反映することが可能になり、改善スピードが飛躍的に向上しました。加えて、万一わからない点があっても、CSOneの担当営業が丁寧にサポートしてくれるため安心感も大きいといいます。「ちょっとした修正のために業者へ依頼し、数日待たされることがなくなった。今は必要なときに自分たちで対応できる」という現場の実感は、業務効率と柔軟性を高める大きな力となっています。
利点③|スケジュール管理の効率が飛躍的に上昇
CSOne導入後に大きな改善が見られたのが、スケジュール管理の効率化です。従来のシステムでは、案件が増えると誰にどの案件を振り分けたかが分かりづらく、割り当て漏れや調整ミスが起こりがちでした。特に全国にサービスマンを抱える同社にとって、スケジュール調整は大きな負担となっていました。CSOneでは、サービスマンの予定をカレンダーベースで可視化。誰がどの現場にいつ訪問するのかが一目で把握できるため、UI/UXの観点でも非常に分かりやすく、直感的に操作できます。予定されている案件に対してはドラッグ&ドロップ感覚で担当者を割り当てられ、業務負担を大幅に軽減しました。
さらに、案件ごとにサービスマンがアサイン済みか未アサインかが明確に表示されるため、進捗が一目で分かります。これにより、担当割り当ての抜け漏れを未然に防ぐことができ、スケジュール調整の精度とスピードが格段に向上しました。
結果として、管理者は効率的にスケジュールを組めるようになり、サービスマンは自分の予定を即座に確認できる環境が整いました。属人化していた調整業務が組織全体で共有可能な仕組みに変わったことが、生産性向上とサービス品質の安定につながっています。
利点④|デフォルト機能でも汎用性が高いので実装もスムーズ
タクト・マシン・サービス様がCSOneを導入する際に重視したポイントの一つが、「システムの汎用性」と「実装スピード」でした。これまで同社では、業界特有の事情として取り扱うメーカー数が非常に多く、それに伴い帳票や入力画面を細かくカスタマイズして運用していました。一見すると業務にフィットしたシステムのように見えますが、カスタマイズが増えるほど開発工数が膨らみ、修正や追加対応のたびにコストと時間がかかるという課題を抱えていました。結果として、システムが柔軟に改善できず、業務全体の生産性を下げる要因となっていたのです。CSOneに切り替えるにあたり、同社は「必要最低限のカスタマイズにとどめ、できる限りデフォルト機能を活用する」という方針を選択しました。CSOneはオンサイト業務に必要な主要機能を標準で幅広く備えているため、案件進捗管理・スケジュール管理・部品管理などの領域を網羅的にカバーできます。その結果、従来のように個別開発に頼らずとも、十分に業務要件を満たすことができました。
このアプローチによって、運用の煩雑さを抑えつつ、わずか約4ヶ月というスピードでの実装に成功しました。これはCSOneの導入事例の中でも、ユーザ数比率でトップクラスに早い部類に入るものであり、現場への影響を最小限に抑えながらスムーズに移行できた点は、同社にとって大きな成果となりました。
さらに、デフォルト機能を積極的に活用することで、中長期的なメリットも生まれています。CSOneは継続的にアップデートが行われるクラウド型システムであるため、標準機能を利用しているほど、新機能や改善の恩恵をダイレクトに享受できます。過度なカスタマイズを避けたことで、将来の拡張性や保守性も高まり、長期的に安定した運用基盤を築くことができたのです。
株式会社タクト・マシン・サービス様からのお言葉
オンサイト管理システムを刷新するのは、当社にとって初めての経験でした。当初は移行に不安もありましたが、わずか数か月という短期間で実現できたことは大きな成果であり、非常に嬉しく思っています。特に、CSOneのデフォルト機能を活用し、カスタマイズを最小限にとどめたことが功を奏しました。結果として導入スピードが上がり、運用面での負担も軽減されたと実感しています。また、どの機能が本当に必要なのか当初は手探りでしたが、CSOneの担当者が一つひとつ丁寧に伴走してくださり、安心して意思決定を進めることができました。現場の声をくみ取りながら的確に提案いただいたことが、成功の大きな要因だと感じています。
今後は、まだ十分に使いこなせていない請求書発行や入金消込といった機能についても積極的に活用し、さらなる効率化と業務品質向上を目指していきたいと考えています。そしてCSOneを長期的なパートナーとして位置付け、システムを成長の基盤にしていければと期待しています。
※写真: 東日本CS部 黒川様・西日本CS部 藤原様