株式会社 神戸製鋼所 様

株式会社神戸製鋼所様は、1905年設立、売上高1兆6,855億円、連結従業員数36,338人(共に2016年3月31日現在)の企業です。鉄鋼事業、溶接事業、アルミ・銅事業、機械事業、エンジニアリング事業が主要事業です。
神戸製鋼所様の機械事業部門では、顧客に納入した機械製品(各種圧縮機、冷凍機、ヒートポンプ)のアフターサービス業務の強化に取り組んできました。機械製品を世界各国の工場に納品しており、サービス業務は主に各国のサービス会社が実施します。業務内容は多岐にわたり、巡回・点検、整備・修理、見積、要員手配に加え、必要部材の手配も必要です。

いくつかのシステム商材を比較検討し、主に以下3つのポイントからアフターサービス業務支援システム「CSOne」を採用いただきました。
① Web対応・モバイル端末対応されていること。外部に公開する上で参照範囲を制限できること
② 海外ユーザのため多言語、多通貨対応されていること
③ アフターサービス業務を標準装備し、一定のカスタマイズを柔軟に低コストで実施できること

CSOneを導入し、サービス情報活用による間接時間の削減、顧客満足度の更なる向上、稼動機の徹底管理による、定期整備実施率の更なる拡大を目指し、主に下記のシステム施策を実現しました。
・稼働時間や経過年数をベースとしたシステマチックな整備計画の自動立案
・IoT基盤を活用した運転データの見える化、整備計画での活用
・顧客毎の電子カルテ構築(履歴情報、部品構成、技術文書の一元管理)
・修理 / 整備実績情報の電子登録

<システム構成イメージ>
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提案保守の徹底に向けて

機械事業部門 圧縮機事業部 汎用圧縮機本部 統括部 サービス事業推進室の中井プロジェクトリーダー(PL)は、従来業務に対して3つの課題を抱いていました。
✔ 顧客への営業計画(工事/整備計画)は、各社ごとに管理している情報や過去実績を頼りに、各担当者のノウハウで立案している
✔ 納入機ごとのパーツリストや部品構成情報が適切に管理されておらず、顧客からの要望や質問に対して迅速に回答することが困難
✔ 顧客にとって最適なタイミングで、最適な提案をするために必要な過去のサービス情報を紙で管理しているためデータ分析・活用が困難

中でも、整備計画データを活用し整備実施率を向上させる運用体制の構築が必要と判断されました。従来業務では、定期的な予防保守については、システム支援がなく経験と実績による提案が中心となっていました。結果的に実績のある顧客を中心に点検やオーバーホールの提案をしていたため、サービス活動から得られる収益目標の立案は過去実績をベースに設定され、目標に対する実績管理が実現できていませんでした。
新システムとして採用いただいたCSOne上で、納入機の稼働状況を精緻に管理し、整備計画をシステマチックに立案できる仕組みを構築しました。主に運転開始からの経過月数や稼働時間といった情報から整備計画を立案する仕組みですが、納入機の機械特性や設置場所の環境などによっても、最適な整備タイミングは左右されます。様々な条件や要因を整理し、納入機データに情報を配置しました。また、納入機の稼働時間や異常情報については、生の情報を納入機本体から得るため、IoT基盤を活用し、リアルタイムに運転データを入手できる仕組みも構築しました。
CSOne上に納入機情報や整備計画のマスターを整備したことで、一定のルールに従った整備計画に基づく目標設定と、設定目標に対する到達度の管理が可能になり、PDCAのサイクルを実現しています。

顧客毎の電子カルテ

中井PLは、顧客対応の観点からも、従前業務のあり方に課題を感じていました。
納入機毎の部品構成情報や過去のサービス情報がデータ管理されていないため、顧客からの要請に迅速に回答することが困難であるだけでなく、サービス品質を向上させるためのデータの活用が難しい現状がありました。
そこで、CSOneを導入して、顧客毎の電子カルテの構築を検討します。納入機の設置場所情報に加え、部品構成やサービス履歴情報、技術文書を、電子カルテとして一元管理し、これら情報を瞬時に取り出せる仕組みを構築しました。
電子カルテを構築したことで、顧客対応で迅速かつ質の高い回答ができるようになり、整備対象部品の選定も容易になります。
今後の課題として、移行段階で設定した最新断面の顧客・納入機情報を、継続的にメンテナンスし、常に最新の状態に保つ必要があります。運用体制の展開含め、継続的なフォローを実施していく状況です。

修理 / 整備実績情報の電子登録

その他のシステム施策としては、修理 / 整備実績情報の電子化があげられます。機種別に異なる整備項目を現場で登録できる仕組みと、作業完了後に顧客サインを受領できる仕組みを構築しました。
従来システムでは、電子サインの仕組みがなく、モバイル端末での運用もされていなかったため、紙ベースのサービス報告書に記載した整備情報を、帰社してシステムに打ち込む運用をしており、作業効率向上を阻害する要因の一つでした。
CSOne導入により、iOS、Androidなどのタブレットでの入力、現場で顧客サインを受領できるようになり、作業効率が向上しただけでなく、入力したデータがそのまま履歴情報としても蓄積され、顧客・納入機情報の一元管理にも寄与しています。

プロジェクト概要

2015年からシステム選定を開始し、いくつかの候補の中からCSOneを選定いただきました。ユーザ数は海外含め1200ユーザ超、利用する会社数は協力業者含め100社前後になります。
導入形態としては、神戸製鋼所様のセキュリティポリシーやカスタマイズの柔軟度の観点から、オンプレミスでの導入に決定しました。

プロジェクト期間は12か月。整備計画や電子カルテについては重点要件なので、要件定義の期間を十分に取りました。また基幹システムやIoT基盤、その他システムの連携も必要で、システム連携テスト、データ移行を経て、2016年11月に稼働しています。
中井PLをはじめとした業務メンバーの皆様には、現業で多忙な中、積極的にプロジェクトに関与いただき、CSOneチームとしても、神戸製鋼所様のサービス業務強化の一端を担えたと考えております。
牧戸プロジェクトマネージャ(PM)より、「パッケージをベースとしながらも弊社要件を柔軟に折り込み、仕様変更にも迅速に対応して頂けたことを高く評価しています。」とのお言葉もいただきました。

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左から3人目下:牧戸PM 右から3人目:中井PL